クリックIDとUTMタグの違いとは?

トラッキングパラメータには大きく2つの系統があります。匿名のキャンペーンタグ(utm_*)と、広告ネットワークがクリックごとに付ける識別子(fbclid、gclid、msclkid、ttclid)です。両者の違いと、LinkCleanが両方を削除する理由を解説します。

Ken Tominaga · 最終更新 2026-10-05

UTMタグが実際にしていること

同じリンクの後ろに並ぶutm_sourceとfbclid。どちらもトラッキングパラメータですが、中身はまるで違います。UTM(Urchin Tracking Module)パラメータは、1996年にUrchin Software社が考案し、2005年にGoogleアナリティクスに取り込まれました。5つのタグ(utm_source、utm_medium、utm_campaign、utm_term、utm_content)は配信側が決めるもので、キャンペーンを設定する人が値を決めます。中央で管理する機関はなく、値が利用者ごとに一意になることもありません。

その役目は、配信側の分析ツールのために、ひとつの問いに答えることです。「このクリックは、どのキャンペーンから来たのか」。utm_sourceは流入元を、utm_mediumは流入経路の種類を、utm_campaignはキャンペーンの区分を示します。値は「newsletter」「email」「spring-launch」のような説明的な文字列です。ダッシュボードでは読めますが、それ以外の人にとっては意味を持ちません。

どの値も個人に固有ではない、という点が肝心です。utm_source=newsletterが意味するのは「このクリックはニュースレターから来た」ということだけです。購読者の誰であってもよく、転送でも、転送の転送でもかまいません。配信側にわかるのは件数であって、誰なのかではありません。

クリックIDが実際にしていること

fbclid、gclid、msclkid、ttclid、yclid。どれもクリックした時点で広告ネットワークが生成し、クリックごとに一意です。トークンには、広告アカウント、キャンペーン、広告クリエイティブ、クリックのイベント、そして(ネットワーク側にまだCookieやIDFAがあれば)ネットワーク側の利用者IDが符号化されています。

リンク先のページが読み込まれると、広告ネットワークのピクセルがクリックIDを読み取り、自社に報告します。これでネットワークには、「12:04:31にキャンペーン7821-ad-3から配信し、Cookie ABC123の利用者に割り当てた広告表示が、実際にページ閲覧につながった」ことがわかります。個々のクリックの単位までです。

では、クリックIDは個人を特定するのでしょうか。リンク先のサイトに対して本人を特定するようには作られていません。ただし、広告ネットワークに対してはクリックを特定します。そして広告ネットワークは、たいてい別の経路でCookieなどの照合キーを持っています。突き合わせれば、身元に近い情報になります。

なぜ同じリンクに両方が付くのか

読み手が違うからです。UTMタグは配信側の分析(自社の発信リンクを読むGoogleアナリティクス)のためのものです。クリックIDは広告ネットワークの成果計測(Metaが自社の広告の効果を知るため)のためのものです。

Facebook広告をクリックした場面で考えてみます。Metaはfbclidを付けます(自社のピクセルが読むためです)。広告主も、広告のリンク先URLにutm_source=facebook&utm_medium=cpc&utm_campaign=…を付けています(自社のGoogleアナリティクスのためです)。両方がブラウザまで運ばれ、それぞれ別のシステムに報告されます。

害の性質はどう違うのか

UTMタグが広めるのは、マーケティングのメタデータです。転送したときのリスクは、配信側のキャンペーン計測を、別の人の分析に持ち込んでしまうことです。配信側の集計にとっては迷惑です(転送されたクリックがニュースレター経由として数えられます)。とはいえ、転送した本人や受け取った相手に、とくに害があるわけではありません。

クリックIDは、もっと強力です。fbclidを転送すると、Metaのクリック識別子が別の人のブラウザに入ります。リンク先のページでMetaピクセルが動いていれば、ピクセルは転送した人のクリックの文脈に結びついたページ閲覧を報告します。Metaは、元の広告表示と突き合わせられるピクセルの記録を手にします。集計は気づかないうちに水増しされ、広告ネットワークには余分な手がかりが戻ります。

どちらも削除する価値があります。クリックIDは、なおさらです。

LinkCleanが両方をデフォルトで削除する理由

LinkCleanのカタログのルールは「ベンダー固有の名前はデフォルトで削除する」です。utm_source、utm_medium、utm_campaign、fbclid、gclid、msclkid、ttclid、yclidはすべて該当します。正当なURLが、これらを成果計測以外に使うことはありません。LinkCleanは、どのサイトでも設定なしでこれらを削除します。

一部のサイトで機能キーも兼ねる汎用的な語(ref、source、t、s、q)は、デフォルトではオフです。トラッカーだと判明しているサイトに限って、例外として削除します(YouTubeのsi=、x.comのt / s)。

よくある質問

utm_sourceを残すと、身元が漏れますか?

いいえ。utm_sourceが示すのはキャンペーンであって、人ではありません。リスクは、転送したときにマーケティングのメタデータを広めることであり、利用者の特定ではありません。

fbclidを残すと、身元が漏れますか?

「はい」に近いです。fbclidはMeta側で、クリックした本人のFacebookのCookieに結びついています。転送すると、元の広告表示に結びついた手がかりがMetaに送られます。受け取った相手のピクセルの記録は、クリックした本人の文脈で報告されます。

メールマーケティングのトラッカーは、クリックIDですか?

形としてはクリックIDに近いものがあります。Mailchimpのmc_eidは、キャンペーン単位のUTMタグよりも、受信者ごとで身元に近いクリックIDに近い形をしています。LinkCleanはmc_eidをデフォルトで削除します。

片方だけ削除すればよいのでは?

それでは不十分です。広告のリンクには、ほぼ必ず両方が付いているからです。UTMタグだけを削除すると、広告ネットワークの成果計測が残ります。クリックIDだけを削除すると、配信側のGoogleアナリティクスの区分が残ります。両方をデフォルトで削除するのが、プライバシーの面ではもっともすっきりした設定です。

LinkCleanを入手。

iPhone向けの、デバイス内で完結するリンククリーニング。共有シート、アプリ本体、ショートカット、ウィジェットから利用できます。

App Storeからダウンロード
App StoreでLinkCleanを開くQRコード
パソコンでご覧ですか? QRコードをスキャンすると、iPhoneでLinkCleanを入手できます。